桂文枝 33歳の社会人落語王者を絶賛「円丈師匠が乗り移ったよう」「お前はうまい!」
「第13回社会人落語日本一決定戦」決勝戦が12日、大阪府池田市内で開催され、創作落語「悪魔のぱぴぷぺぽ」を披露した高座名「麹家と太郎」こと松林太郎さん(33)=東京都、会社員=が13代目名人に輝き、賞金30万円を獲得した。
大会統括を務めた落語家・桂文枝(78)は、動きと話術で爆笑をさらった松林さんについて「(11月30日に三遊亭)円丈師匠が亡くなったが、まるで円丈師匠が乗り移ったかのような…訳のわからん落語でした」とコメント。「噺家になろうと思ったことは?」と聞き、「あります。勇気がなかった」と返ってくると、松林さんの高座での声色をまねて「もし噺家になっていたら、我々の仕事はなくなってただろう。お前はうまい!」と絶賛した。
10人の戦いを制した松林さんはIT企業のエンジニアで、17年から落語を始めた。今大会は4回目の挑戦だったが、昨年はビデオ審査で落選しており「そこから突然、優勝なんでいろんな感情が混ざり合ってよくわかんないです」と本音を吐露した。賞金は「着物を作ってみたい」といい、将来の夢を「自分の作った落語をプロの落語家さんがやってくれたら」と明かした。
今大会は265人が応募し、1次審査を154人が通過。予選会には当日欠席者を除く147人が出場した。