尾上松也「芸と一緒に魂、情熱も受け継ぐのが一番大事」吉右衛門さんへの思い語る
歌舞伎俳優の尾上松也(36)が22日、都内で1月歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」合同取材会を行った。
松也は第三部「岩戸の景清」で悪七兵衛景清を演じる。「希望を持って1年過ごしていただける演目にしたい」と意気込んだ。歌舞伎座は1月から収容人数を50%から68%まで増やす。「また元に戻るための一歩前進した公演の序章になるかなと思いますので、大いに盛り上げたいなとは思います」と話した。
テレビドラマ版で父の故・六代目尾上松助が主演した「赤銅鈴之助」を、今年歌舞伎化し赤銅役を演じた。また来年1月からは同ドラマのその後を描いた主演ドラマ「まったり!赤銅鈴之助」でも同役を演じる。
松也は「映像でも舞台でもやりたいという思いがあって、1年で2つの目標がかなうのは感慨深かったですし、やりきったときにはお父さんもさすがに喜んでくれるんじゃないかなと感じました」と充実した表情で振り返った。
11月に死去した中村吉右衛門さんについては「僕にとっては憧れの先輩の一人でしたし、以前ご指導いただきました。あれだけの大先輩が指導することに一切手を抜かず、細部までにこだわり、やり尽くしてる姿を見ると、僕らがこんなことしてちゃいけないと思わせていただけた」と思い出を語った。
続けて「これからもいろんなことを教わり学んでいきたいと思いました。もうかなわないのが非常に残念なことではありますけど、歌舞伎の伝統伝承というのは芸と一緒に魂、情熱も受け継ぐのが一番大事だと思うんですね。いただいたものを胸に精進していきたい」と誓った。