１８日に亡くなった女優の神田沙也加さん（享年３５）がダブルキャストで主演していたミュージカル「マイ・フェア・レディ」が２５日、山形・やまぎん県民ホールで１週間ぶりに公演を再開した。

　神田さんとダブルキャストで主人公・イライザを演じていた朝夏まなと（３７）が復帰の舞台を務め上げ、ショックを感じさせぬプロ魂で２時間半の熱演。

　カーテンコールでは総立ちのスタンディングオベーションで迎えられ、３回目の登場で目に涙を浮かべ「とても悲しく、とてもさみしいです。でも、私たちはこの伝統ある愛してやまない作品を守り、続けていきたいと思います。さあちゃんの思いも一緒に千秋楽まで１回１回大切につとめあげていきたいと思います」と、時に声をつまらせながらコメント。ヒギンズ教授役の別所哲也も目頭をぬぐった。

　拍手が鳴り止まないため、会場アナウンスが「本日の公演は終…」で止まり、朝夏と別所の４回目の登場に拍手の音がさらに大きくなった。

　会場には公演再開が決定したときに発表された朝夏らのコメントが置かれ、会場や最寄りのＪＲ山形駅には神田さんの映った横断幕やポスターが掲示された。３役あるダブルキャストのうち神田さんが中心だった「チームＫ」の２名が降板したため、朝夏ら「チームＡ」が今後の全公演を担当。２６日にも山形公演を行い、来年１月２８日まで静岡、愛知、大阪、福岡を巡る。

　朝夏は公演に先立ち、マネジャー名義のツイッターを更新し「幸せな時間となりますように。」とコメント。２０日のインスタグラムでは、天国の神田さんに向け「さぁちゃん顔あげてがんばるよ。私たちの愛する舞台にするために…見守っててね」とメッセージを送っている。