NHK大阪「BS1スペ」で謝罪 「字幕一部に不確かな内容」 五輪反対デモで金銭授受
NHK大阪は9日、大阪の同局で会見を開き、昨年12月26日に放送されたBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」後編の字幕の一部に「不確かな内容があり、映画製作の関係者、視聴者のみなさまに大変なご迷惑をおかけしている」と謝罪した。この日のBS1スペ放送後の後10時49分から2分間のお詫びを放送する。
12月26日放送回は、東京五輪の公式記録映画監督の河瀬直美さんや映画製作チームに密着取材したものの後編。12月30日に再放送された。
映画監督の島田角栄さんが都内で男性にインタビューする様子に同行した際、男性が「五輪反対デモに参加する意向がある」と話したことから、「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕をつけていたが、男性が五輪反対デモに実際に参加していたかどうかなど、確認できていないことが分かったという。
この男性が、「これまで複数のデモに参加して現金を受け取ったことがあり、五輪反対デモに参加してお金を受け取ろうという意向がある」と話していたことから、担当者は「五輪反対デモに--」「実はお金をもらって--」という字幕をつけたと説明した。
NHK大阪は「NHKの担当者の確認が不十分でした」として、「字幕の一部に不確かな内容があった」として、映画製作関係者、視聴者に謝罪。仮に五輪デモ反対で金銭を受け取っていたとすれば、資金源はどこなのか?などの取材が必要なはず、との指摘に、「取材が不十分だった」「(担当者の)思い込みがあったと言わざるを得ない」とし、今後はチェック機能を強化するとした。
今回の放送について「(五輪の)公式記録映画とは内容が異なる」と説明した上で河瀬監督や、島田監督に責任はないことを強調した。
公式サイトによると、「BS1スペシャル」は、ドキュメンタリーを中心に大きなスケールで迫るBS1の大型特集番組。土曜・日曜・祝日などの夜を中心に放送されている。