ちばてつやさん 水島新司さんを追悼「あなたの出現で、野球を描けなくなりましたよ」 仲間でライバル
「ドカベン」「野球狂の詩」「あぶさん」などの野球漫画で知られた漫画家・水島新司さんが10日、肺炎で亡くなった。82歳。草野球仲間で、同世代の漫画家、「あしたのジョー」などで知られるちばてつやさん(83)が17日、公式サイトに追悼メッセージを掲載した。野球のユニフォーム姿で水島さんと肩を組み、ちばさんがほろりと涙を流しているイラストが添えられている。公式ブログでも追悼した。
ちばさんは10月末に入院し、心臓の動脈弁の手術と喉の腫瘍治療を行い、今年1月4日のブログで仮退院を報告。自身も闘病中の身だ。
ちばさんは、「同じ世代、実生活でも草野球仲間でライバル」水島さんについて、その野球漫画の魅力を「プロ野球選手を唸らせるほど専門的な目線で野球の『可能性』と『面白さ』を探り続けてきたと思う」と高く評価し、「水島さん、そんなあなたのすぐれた野球マンガの出現で、私は野球を描けなくなりましたよ」と明かし、コロナ禍で会えないまま突然の別れとなってしまった永遠のライバルで仲間の死を悼んだ。
【以下、公式サイトの追悼全文】
昔から同じスポーツを題材にしたマンガを描いてきた同士で同じ世代、実生活でも草野球仲間でライバルの水島新司さんが亡くなってしまった。
彼は私とはかなり違ったスタンスで、ほとんど野球マンガひと筋に描き続けてきたんだ。
元々野球マンガはピッチャーとキャッチャーにライバル、というヒーローものが定番だったが、彼の手にかかるとチームの9人一人ひとりの個性、それどころか監督や控え選手などを含むベンチワークまで綿密に描ききり、プロ野球選手を唸らせるほど専門的な目線で野球の「可能性」と「面白さ」を探り続けてきたと思う。
水島さん、そんなあなたのすぐれた野球マンガの出現で、私は野球を描けなくなりましたよ。
以前から約束していて、近々楽しみにしていたキャッチボールの相手が居なくなってショックだし本当に寂しいけど、そういう私も現在は闘病中。
まずは長い間本当にお疲れ様でした。
先に行って今は安らかにお休み下さい。
合掌