海洋冒険家の堀江謙一さん（８３）が２４日、兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバーで記者会見。単独無寄港太平洋横断のスタート地点・米サンフランシスコへ向けてヨットを運ぶためコンテナに積む作業をした。

　堀江さんは３月２６日（現地時間）に米サンフランシスコから西宮市へ無寄港で単独航海に挑戦する。成功すれば世界最高齢での単独無寄港太平洋横断になる。「ほぼ間に合いましたので、ほっとしています」と話す堀江さんは、「一番気になっているのは忘れ物がないか。缶詰があっても缶切りを忘れたみたいに、ドジなことにならないようにしたい」と元気な声で笑わせた。

　堀江さんは２３歳だった１９６２年、「マーメイド号」で世界初の太平洋単独無寄港横断に成功した。１９７３～１９７４年には、西回りの単独無寄港世界一周を達成し、２００５年には東回りでも成功した。また、２００８年には波の力で進むボートでも横断。ソーラーボート、足こぎボートと幾多の冒険を続けてきた。

　今回のヨットは「サントリーマーメイド３号」。全長５・８３メートルのヨットは、６０年前と大きさも形も変わらない。「６０年前、あの頃はまわりの目は奇人、変人だった。今でもそう思われてるんかもしれんですけど」と笑い、「ヨットは親みたいなもんですね。相手は自然。１００％相手に合わせることが大事」と語った。

　今後は３月１５日に渡米。同月２６日（現地時間）、ゴール地点となる「新西宮ヨットハーバー」に向けてサンフランシスコの港を出港する。

　８３歳の挑戦。１００歳での航海を目標に掲げる堀江さんは、「その時にちゃんと心臓が動いているか分からないけど、今は元気。チャンスを生かしたい」と意気込みを語り、同世代の人たちに向けて「基本的には僕自身の自己満足。ただ僕が挑戦することによって、同年代の人たちに夢、目的があるなら、そのお手伝いができればうれしい」と語った。