関テレ社長 悲痛の神田と聖子に「何か一言」への局アナ怒りに「個人的にはまっとうな発言」
関西テレビの羽牟正一代表取締役社長が25日、オンラインで新春会見を行った。
羽牟社長は、同局「報道ランナー」(月~金曜、後4・45)のメインキャスターを務める新実彰平アナウンサーが、昨年12月に女優の神田沙也加さんが急死し、父の俳優・神田正輝と母の歌手・松田聖子が報道対応した際、去り際の2人に「今のお気持ちは」と声を掛けた取材陣に不快感を示したことについて、見解を聞かれた。
羽牟社長は「新実君の発言というのは、あの場面では個人的にはすごくまっとうな発言だったのかなという風には思う。ただ、マスコミの人間として、影響をもつ人間として、私も悩みどころではあると思うが、個人としてはその通りだと思う。あの発言自体がどうだとか、いろんなことを考えたときに、とっさにああいう言葉が出たんだと思うが、どうなんでしょう」とコメント。
「正しいか、正しくないか、どっちが適切だったかというのは…。私自身はキャスターとしてどうだったのかなというと、あれはあれで十分に画面を見ている方にも伝わったのかなという風には思う」と続けた。
昨年12月21日に神田さんが死去した札幌市内で、両親の2人が対応。神田が「しばらくの間、そっとしておいていただけたらありがたいと思います」と要請した後、松田が「お寒い中、申し訳ございませんでした。ありがとうございます」と話し、2人で頭を下げた。その後、神田が「ありがとうございます」とあいさつし、2人で立ち去る際に“声がけ”が行われた。
映像を見た新実アナは「何か一言なんて聞くもんじゃないですよ。あれも誰が言ったのかわかんないけれど。わざわざこうやって顔を出してくださった、それで十分だというふうに思います」と怒りの表情でコメント。ネットでは共感とともに、疑問視する意見も。
新実アナは同12月23日に、「人間としてもっとも(中略)、一方で記者が取ってきた言葉や絵面を捌(さば)いて提供するアナウンサーの仕事としてはどうなんだろうと思うのよな」という声をリツイート。
自身は「私も現場時代、意義を見出せぬままご遺族にマイクを向け幾度も怒鳴られた。一方で、粘り強い取材という名の伴走でご遺族の心の拠り所となり、社会変革さえもたらす記者もいる。“答え”はない。清濁合わせ飲む現場の苦労にフリーライドしている今の卑怯な立場を自覚しつつ、これからも悩みたい」と思いをつづっていた。