【山田美保子のミホコは見ていた!】氷川きよし 歌への想い
21日に今年いっぱいでの歌手活動休止を発表した氷川きよしの全国ツアーが27日、都内のJ:COMホール八王子でスタートした。22年間、氷川の歌手活動を見守ってきた関係者はもちろん、ファンの多くも「ゆっくり休んでほしい」という想いだと聞く。年間100本近くのコンサートのみならず、座長公演やファンクラブイベント、歌番組やバラエティ番組への出演などを休まずこなしてきた氷川。
私は氷川がデビュー直後に出演していた「旅の香り」(スタート時のタイトルは「旅の香り 時の遊び」・テレビ朝日系)の放送作家の一人だったこともあり、コンサートや舞台の大半を観てきたし、直接、歌やファンの皆さんへの想いを聴く機会も数多くあった。
氷川の歌を聴くのを生きがいにし、遠方から訪れる高齢女性に対し、常に温かくて優しい言葉をかけ、心身の健康を願っていたし、ファンの皆さんに完璧な歌を届けるために、キャリアを重ねてもレッスンを積んでいた。地方の公演先から作曲家の先生に電話をして、歌い方を問うたり、身体づくりのためにホテルの周辺で走っているのも見たことがある。
公演をこなすだけでなく、見えないところで、そうした努力を22年間、ずっと続けてきたのである。このあたりで少し休みたいと思ったとしても当然ではないだろうか。
股旅演歌というジャンルでデビューを果たし、“演歌界のプリンス”として多くの皆さんに愛され、歌を聴いてもらえていることに対し、氷川はずっと感謝を言葉で表していた。そうした楽曲の作詞や作曲を担当された先生方お一人お一人を心から尊敬しているし、それぞれの曲にコールや振りをつけて応援してくれるファンの皆さんとの絆も驚くほど固い。
ただ、近年、歌いたい曲の幅が広がっているのは事実だし、どんなジャンルでも完璧に愛情をもって歌いこなせるのも氷川なのだ。
今年のツアーのサブタイトルは「歩き続ける歌の道」。活動休止は、これからも長く歌い続けるためのリフレッシュ休暇と信じている。今後も氷川きよしを応援したいと思う。