梅沢武生さん通夜 最後まで舞台に通った兄に梅沢富美男「本望じゃないですか」
16日に肺炎のため82歳で亡くなった、大衆演劇「梅沢劇団」の元座長で俳優の梅沢武生(本名池田武生)さんの通夜が29日、都内で営まれ、弟で俳優の梅沢富美男(71)が喪主を務めた。泉ピン子(74)、瀬川瑛子(74)、研ナオコ(68)、小川菜摘(59)らが参列。武生さんが海好きだったことから波をイメージした祭壇で、スーツ姿でほほえむ遺影は70歳祝いで撮影したもの。ひつぎには、舞台衣装、足袋、羽二重などの役者道具に、思い出の写真も納められた。
武生さんは、今月24日まで東京・明治座で上演された、富美男の座長公演に出演予定だったが降板。初日6日から体調が急変するまでの数日間は、医師の許可のもと、明治座に通ってベッドを置いた楽屋でモニター越しに公演を見届けていたという。取材に応じた富美男は、「最後の最後まで舞台に出たがってました。初めて頭を下げて、『楽屋に連れて行ってくれ』と。『舞台で死にたい』と言ってましたから、本望じゃないですか」と武生さんの役者魂を明かした。
武生さんに俳優道へ導かれ、2012年には座長を引き継いだが、「芸は全てアニキから教わった」と感謝。両親の死に目には会えずも、武生さんの最期はみとったといい、「アニキが残した劇団。俺が死ぬまで続けていくよ」と誓っていた。