濱口監督「ドライブ・マイ・カー」4部門候補に 作品賞、脚色賞は日本初 米アカデミー賞

 映画「ドライブ・マイ・カー」より(c)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
 濱口竜介氏
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 米映画芸術科学アカデミーは8日、第94回米アカデミー賞の候補を発表し、濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の計4部門でノミネートされた。日本映画が最重要の作品賞で候補入りするのは初の快挙。外国語映画の枠にとどまらず、世界の巨匠たちと最も優れた作品に贈られる賞を競う。

 日本人が監督賞候補に選ばれるのは「乱」の黒沢明監督以来36年ぶり。脚色賞は小説や舞台の戯曲を基にした脚本に贈られ、日本人の候補入りは初。濱口監督と大江崇允さん(41)が共にノミネートされた。米国以外で製作された非英語映画が対象の国際長編映画賞は是枝裕和監督の「万引き家族」以来3年ぶり。

 「ドライブ-」は村上春樹さんの短編小説が原作。妻を亡くした舞台俳優で演出家の主人公(西島秀俊)が、演劇祭のため訪れた広島で専属運転手になった女性(三浦透子)と出会い、自身の悲しみを見つめ直す姿を描く。

 昨年7月のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。今年1月には米アカデミー賞の前哨戦とされる「ゴールデン・グローブ賞」で非英語映画賞を受賞したほか、全米映画批評家協会賞でも作品賞、監督賞など4冠に輝いた。

 濱口監督は、今世界が最も注目する映画監督の一人。大学院時代から映像作家として頭角を現し、その才能をいち早く「発見」した海外映画祭を舞台に、着実なステップアップを重ねてきた。

 作品賞候補には、最多12ノミネートのジェーン・カンピオン監督作「パワー・オブ・ザ・ドッグ」やスティーブン・スピルバーグ監督がリメークした「ウエスト・サイド・ストーリー」などが入った。「ドライブ-」が受賞すれば、英語以外の作品としては韓国映画「パラサイト 半地下の家族」に続き、史上2作目となる。

 発表・授賞式は3月27日(日本時間28日)に米ロサンゼルスで行われる。

 ◇濱口竜介(はまぐち・りゅうすけ) 1978年川崎市生まれ。東京大文学部を卒業後、助監督などを経て、東京芸術大大学院映像研究科に入学。2015年に「ハッピーアワー」がロカルノ国際映画祭で注目を集め、18年の「寝ても覚めても」はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。20年のベネチア国際映画祭で黒沢清監督が監督賞を受賞した「スパイの妻」では脚本を共同執筆。「偶然と想像」は昨年のベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ審査員大賞に輝き、10日開幕の今年の同映画祭ではコンペ部門の審査員を務める。

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