藤井新王将 今は“森林限界の手前”聡太ワールド全開「将棋はどこが頂上か全く見えない」

 将棋の藤井聡太王将(19=竜王・王位・叡王・棋聖との五冠)が13日、東京・立川市内のホテルで会見を行った。第71期王将戦七番勝負で渡辺明名人(37=棋王との二冠)に4連勝して王将を奪取、19歳6カ月の最年少で史上4人目となる五冠を達成して一夜。スーツ姿で登壇し、5冠バルーンケーキを持ち笑顔。「強くなること」が目標と語ってきた新王将は、現時点を富士山に例え「森林限界の手前」と独特な表現で示した。

 偉業から一夜。19歳の新王将は、飽くなき向上心を独特の言葉で表した。報道陣から「現在地は何合目あたりか」と富士山に例えて問われると「う~ん」と長考。しばしの時間を置いて、言葉を紡いだ。

 「将棋というのはとても奥が深いゲームで…。どこが頂上なのか全く見えないわけなので。そうですね…。森林限界の手前というか、まだまだやっぱり上の方には行けていないのかなと思います」

 一般的にはなじみの薄い“森林限界”。地理や気象に造詣の深い藤井王将らしさ全開の表現だった。会見後にはツイッターでトレンド入りするなど、さっそく話題に。今回宿泊し、対局場にもなったホテルから望めた日本最高峰の山に、自らの足跡をなぞらえた。

 昨夜は「(第4局は)中盤が非常に難解な局面が多かったので、振り返っていた時間が長かった」と激闘を回顧する時間に充てたという藤井新王将。夜が明けて「改めて王将獲得の喜びを、実感を持って感じるところはあります」と語った。

 三冠保持の渡辺名人とは初めてとなる2日制対局は、藤井一強を印象づける4連勝で終わった。スイープという結果だけみれば圧勝だが「中盤のバランスの取り方、距離の詰め方で、強さを感じたところは多くありました」と“学び”へのどん欲さは変わらない

 3月9日にはA級昇級のかかる順位戦が控える。「これまでと大きく違うことをするわけではなくて、今まで取り組んできたことを引き続きやって、何か成果が出せればと思っています」。頂へは道半ば。歩みを止めずに登り続ける。

 ◆森林限界とは 高山による低温などで、環境条件の変化で木が育たずに森林を形成するのが不可能になる限界のこと。富士山では五合目付近。

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