２０日に前立腺がんのため７５歳で死去した歌手で俳優の西郷輝彦（さいごう・てるひこ、本名今川盛揮＝いまがわ・せいき）さんの葬儀・告別式が２４日、都内の斎場で営まれた。喪主は妻の明子さんが務め、明子さんとの三女で女優の今川宇宙（２５）、西郷さんの前妻の辺見マリ（７１）との娘で女優の辺見えみり（４５）らが参列した。

　昭和歌謡を支えた大スターがファンたちの大合唱で送り出され、天国へと旅立った。

　西郷さんと親族による意向から、午前中にファンクラブのファン向けにお別れの時間が設けられ、喪服姿のファンが参列。出棺時にファンは西郷さんのデビュー曲「君だけを」を合唱したほか、「西郷～！」という悲痛な叫びや「輝ちゃん今までありがとう！」と感謝の声をかけていた。

　祭壇は白、青、紫の花々で形作られ、笑顔の遺影が置かれた。棺には、家族が書いた手紙や西郷さんが好きだったという鹿児島の銘菓「かるかん」が納められ、場内には時代劇「江戸を斬る」の楽曲などが流された。

　妻の明子さんは霊きゅう車に乗り込む際、沈痛な面持ちでファンと報道陣へ一礼。その目は腫れていた。前妻との娘である辺見えみりも参列。出棺後に斎場から出てきたえみりは、報道陣へ伏し目がちに頭を下げていた。