橋下徹氏、対ロシア「折り合いをつけるのが政治」宮家氏反論「その時点は過ぎてる」
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が2日、TBS系「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」に出演し、ウクライナ侵攻を始めたロシアに「政治的な譲歩をやるべき」と持論を展開した。
「国際秩序を乱すロシアに譲歩してどうする」という大きな批判があることは理解した上で「太平洋戦争の時も、イケイケの時は反戦っていう声は上げにくかったんだなっていうことを、痛切に感じてました」と戦時中の状況になぞらえた。
侵攻を続けるロシアに対しては「許したくもないし、できたらこのまま経済的に崩壊していってくれるのがいい」と厳しかったが、一方でウクライナだけに戦闘を継続させることには否定的。西側の他の国が参戦できないならば「NATOの安全保障とロシアの安全保障で考え方が違うところを折り合いをつけていくのが政治」と妥協の必要性も説いた。
本格的な戦争となれば、選択肢は「最後はお互いに相手をたたきつぶす」か「お互いに譲歩をする」しかないと説明。「ロシアに正当性はないけれども、ウクライナを助けるためにNATOが譲歩を考えるべき」と“あえて”の選択を示した。
元外交官のキヤノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦氏は「戦時中の日本」を例に出した橋下氏の意見を認めつつ「ヨーロッパの第2次大戦の経験」も提示。英・チェンバレン内閣がナチスドイツに融和(ゆうわ)政策を取った結果、戦火が拡大したと説明した。
厳しい対応と妥協するという対応に「両方とも一定の正しさはある」としながらも「ウクライナについて言えば、その時点は過ぎちゃってる」と妥協案は時既に遅しと分析。ロシアの侵攻は逆にNATOを結束させているとし「プーチンさんは大変大きな戦略ミスをしたと思います」と断言した。