「ドライブ・マイ・カー」最多8冠獲得 主演・西島秀俊「魂の再生の物語、意味がある」

 第45回日本アカデミー賞の授賞式が11日、都内で行われ、国内外の賞レースを席巻している「ドライブ・マイ・カー」が最優秀作品賞などの主要部門を含む最多8冠を獲得した。同作で最優秀主演男優賞を受賞した西島秀俊(50)は感謝のスピーチ。邦画初の作品賞など4部門にノミネートされている米アカデミー賞に向け、弾みを付けた。最優秀主演女優賞は「花束みたいな恋をした」の有村架純(29)が初受賞した。

 3年ぶりの有観客開催で「ドライブ・マイ・カー」が止めどなく拍手を浴びた。優秀賞を受賞していた全8部門で最優秀の栄誉を獲得。寡黙な運転手を演じた三浦透子(25)も新人俳優賞に輝き、アクセル全開のドライブ旋風を巻き起こした。

 最優秀主演男優賞の西島は、東日本大震災から11年目のこの日に触れ「人とのつながり、魂の再生の物語が賞をいただいたことには意味があるのではないかと思っています」と神妙な面持ちでスピーチ。チームでの受賞だと強調し「俳優の演技に、とにかく嘘をつかせないよう徹底的に現場を作ってくれた」と感謝した。

 作家・村上春樹氏の小説を原作に、濱口竜介監督(43)が映画的世界を拡張。広島を舞台に、さまざまな国、年齢、性別の人物が登場し、多様性を示しながら人間の本質に迫る179分の大作が、世界的な称賛に包まれている。

 最優秀監督賞のスピーチに立った濱口監督は震災後に取り組んだドキュメンタリー「東北記録映画三部作」での経験が「基盤」だと説明。津波被害者たちへのインタビュー作品を通じて「こういう生命力をとらえていきたいと思いました。今、それを基盤に私はこうしていますと伝えたい。現在地から研鑽を積んで、映画の世界で何かできることを探していきたいと思います」と顔を紅潮させた。

 27日(日本時間28日)には米アカデミー賞が待機。邦画初の作品賞受賞となるか、快挙が期待される。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス