人気グループ・Ｈｅｙ！　Ｓａｙ！　ＪＵＭＰの高木雄也（３１）が単独初主演する舞台「裏切りの街」（新国立劇場　中劇場）が１２日、初日を迎えた。出会い系サイトで知り合った人妻と、怠惰な不倫関係におぼれる、無気力なフリーター役の高木は、「生まれたままの姿」で濃厚なラブシーンに挑むなど体当たりの熱演を披露。トップアイドルの殻を破り、役者・高木として新境地を開いた。

　文字通りの体当たりだった。高木が激しい性描写による濃厚ベッドシーンに“ほぼ全裸”で挑み、美尻も披露した。

　「台本を見た時、『これＯＫなんだ』と思いましたけど、自分の幅が広がるだろうと持ってチャレンジしました。ステージ上で自分のすべてをさらけ出しています。“生まれたままの姿”です。でも役としてやっているので気にならなくなってきました」

　人気アイドルとしてのカラーをかなぐり捨てた大胆演技も自身の新境地だ。「僕が脱いでも『キャーッ』って言わないでください」と役者の顔になった。

　主人公の菅原裕一は怠惰なフリーター。役作りについて「筋トレとかで体をバキバキにせず、むしろ体重を落としました」。食事制限はもちろん、毎日約１０キロの散歩も行い、稽古期間中に約９キロ減量。口元には無精ヒゲをたくわえ、「どこかだらしないところが出るようにしました」と完璧な準備で臨んだ。

　脚本家・演出家の三浦大輔氏が手掛ける名作で、田中圭（３７）が主演した２０１０年の初演以来、１２年ぶりの再演。６年前の映画版では池松壮亮（３１）が菅原役を務めた。高木演じる三代目・菅原に三浦氏は「いい意味で裏切られました。ここまでできるかと」とうなずいた。

　２０年に上演予定だったがコロナ禍で中止となり、今回は“リベンジ公演”となる。菅原と関係を持つ主婦・智子役の奥貫薫（５１）は現在新型コロナウイルス感染により療養中のため、別役で出演予定だった呉城久美（３５）が代役を務めている。

　東京公演は２７日まで。３月３１日～４月３日まで大阪・ＣＯＯＬ　ＪＡＰＡＮ　ＰＡＲＫ　ＯＳＡＫＡ　ＷＷホール。