ロシアの政府系テレビ「第１チャンネル」で１４日夜、ニュース番組「ブレーミャ」の生放送中に同テレビ局の女性社員がキャスターの背後で「戦争をやめて」などと書かれた紙を掲げた。ロシアのウクライナ侵攻への異例の抗議行動。女性社員は拘束されており、ロシア軍の活動を侮辱する行為として処罰される可能性がある。女性社員は日本時間１５日午前にＳＮＳで公表された動画で「狂気を止められるのは私たちの力だけだ」と訴えた。

　【オフシャンニコワさんの訴え要旨】

　ロシアは侵略国だ。侵略の責任はたった一人の人物の心にかかっている。ウラジーミル・プーチンだ。何年もの間、私は第１チャンネルで働き、クレムリンのプロパガンダ活動に携わってきた。テレビを通じてうそを流すのを許してきたことを恥じている。

　私たちは（ロシアによるクリミア半島強制編入など）全てが始まった１４年には沈黙し、クレムリンが（ロシアの反体制指導者）ナワリヌイ氏の毒殺を図った際、（抗議）集会に行かなかった。

　私たちの子孫は１０世代にわたり、きょうだい殺しの戦争という恥辱をぬぐうことはできないだろう。私たちは思慮があり、賢明なロシア人であり、この狂気を止められるのは私たちの力だけだ。