東北新幹線脱線 やまびこ223号全17両中16両 福島-仙台間3月中の再開厳しく
16日午後11時36分頃、宮城県登米市や福島県相馬市などで震度6強の地震があった。17日までの共同通信の取材によると、両県で計3人が死亡し、けが人は12県の180人超に上った。他に宮城県で死亡した1人について警察などが地震との関連を調べている。気象庁によると震源地は福島県沖で、震源の深さは57キロ。マグニチュード(M)7・4と推定される。宮城県の石巻港で30センチなど各地で津波を観測。気象庁は津波注意報を出し、約5時間後に全て解除された。この地震の直前にも宮城、福島両県で強い揺れを観測した。
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JR東日本は17日、東京発仙台行き東北新幹線やまびこ223号が全17両中16両で脱線していたと明らかにした。現場は宮城県白石市で、白石蔵王駅から福島駅方向に約2キロの地点。白石市は震度5強だった。
国土交通省によると、地震が発生して営業運行中の新幹線が脱線したのは、2004年10月の新潟県中越地震での上越新幹線以来、2例目。客の乗っていないケースでは、11年の東日本大震災で東北新幹線が、16年の熊本地震で九州新幹線が、それぞれ脱線した。
JR東によると、走行中に地震を検知して自動停止。その後、脱線が確認された。発生から約4時間後の17日午前3時半頃、乗客が線路に降りて徒歩で移動し、非常口から高架橋を出てバスで白石蔵王や仙台に向かった。
乗客の会社員菅野晃伸さん(37)は「すごい揺れでバウンドしている感覚」と振り返る。開かなくなった扉もあった。会社員北川翔馬さん(28)によると、車内は停電。寒さ対策で乗客は一つの車両に集まっていたという。大学生角岡瞭汰さん(22)は「車内はパニックにはなっていなかった」と語った。
JR東は17日、東北新幹線の那須塩原-盛岡間の運休を、少なくとも21日まで続けると決めた。福島-仙台間は3月中の再開は厳しいとみている。
地震で脱線した東北新幹線の車両=宮城県白石市