アカデミー賞の授賞式で、ハリウッド俳優のウィル・スミス（５３）が、プレゼンターを務めたコメディアンのクリス・ロック（５７）にステージ上で強烈ビンタを食らわせる衝撃的なハプニングが起こった。スミスはその後、「ドリームプラン」で主演男優賞を初受賞し、自身の行動を涙ながらに謝罪した。

　発端はロックが、壇上から、スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミス（５０）の髪形をからかうジョークを飛ばしたこと。客席から突然ステージに上がったスミスは右手で痛烈なビンタを見舞った。その後もスミスの怒りは収まらず、ロックが自身の発言を釈明すると、客席から「妻の名前を口にするな」と叫び放送禁止用語を連発。中継音声が一時途切れるなど大混乱となった。米メディアによると、ジェイダは脱毛症に悩まされ、昨年夏ごろから短髪にしているという。

　スミスは「ドリーム－」でビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹をテニスのトッププレーヤーに育てた父親を演じ、悲願の主演男優賞を獲得。騒動後の受賞決定となり、スピーチで「（主催者の映画芸術科学）アカデミーや候補者の仲間たちに謝罪したい」と涙ながらに述べた。

　アカデミーは公式ツイッターで「いかなる形態の暴力も容認しません」との声明を発表。警察によると、ビンタを食らったロックはスミスを告訴しない方向を示した。