脚本家の松田寛夫さん（まつだ・ひろお）が、３月２４日午前に悪性リンパ腫のため、東京都内の病院で死去した。８８才。東映が公表した。葬儀は３月２９日に家族葬として執り行った。

　京都府出身。１９５８年に京都大学文学部卒業後に東映入社。京都撮影所に助監督として配属。６２年に企画本部企画室文芸課に異動し、以降、脚本家として映画、テレビなどで多くの作品を手掛けた。

　映画では「網走番外地　大雪原の対決」（６６年）、「柳生一族の陰謀」（７８年）、「社葬」（８９年）、「新　極道の妻たち　惚れたら地獄」（９４年）などを手がけ、「花いちもんめ」（８５年）で第９回日本アカデミー賞最優秀脚本賞。

　松田さんは、映画監督の松田定次氏、女優・松浦築枝さん夫妻の養子。

　映画監督の伊藤俊也氏は「松田さんと私は長らく二人で脚本作りに励んで参りました。今は半身を奪い取られた気持ちです。今後も松田さんだったらどうするという思いで仕事をしたいと想います」と悼んだ。