大阪を拠点に活動する漫才コンビ「ミルクボーイ」が９日、「第５７回上方漫才大賞」を受賞し、大阪市内で表彰式に出席した。横山やすし・西川きよし、オール阪神・巨人、ダウンタウンらが受賞した上方漫才界で最も長い歴史を持つ賞。「恩人」と慕う女性漫才コンビ・海原やすよ　ともこが祝福に駆け付けると、２人は号泣した。

　２００７年結成。関西で頭角を現したものの、結成５年後ぐらいから内海崇（３６）はギャンブルにハマり、駒場孝（３６）は先輩との飲みに行くのに夢中で、お笑いをサボっていた時期があったという。そんな時にゲキを入れてくれたのが、やすとも。駒場は「『昔ちゃんと（漫才）やってたんやったら、もう１回ちゃんとやったら？』と言ってくれた。命の恩人です。あそこで（自分たちが）変わった」と涙をぬぐった。

　心を入れ替え、Ｍ－１グランプリ２０１９で優勝。上方漫才にこだわり、「日本で１番いい劇場」というＮＧＫの舞台に立つ。内海は「Ｍ-１の結果がどうであれ、この賞が欲しくて欲しくて。上方漫才の歴史が漫才の歴史やと思うんで。今後も大阪から発信したい」、駒場は「大阪のお笑いが１番面白いと思ってる」と感極まっていた。

　角刈りがトレードマークの内海は、今も大阪市内の理髪店で１０日に一度刈り上げている。散髪から３日後が「１番いい状態」といい、今回は３月に受賞を伝えられ、６日に行きつけのおじちゃんに散髪をしてもらったばかり。「前回は５３万のイスをあげたので、こんどはハサミを贈ろうかな」と賞金２００万円の使い途を思案。３月に第１子男児が誕生したばかりの駒場は「子供の誕生と合わせて記念になるようなものを」と喜んでいた。

　なお奨励賞はミキ、新人賞はニッポンの社長が受賞した。