駐日ロシア大使 ブチャの虐殺「でっち上げ」 強弁、わずか1日で現場設置
駐日ロシア大使のミハイル・ガルージン氏が9日、TBS系「報道特集」に出演し、ロシア軍によるウクライナでの虐殺について「なかった」と否定した。ジャーナリスト・金平茂紀氏のインタビューに答えた。
金平氏がウクライナの首都キーウ近郊の町・ブチャでの虐殺について尋ねると、ガルージン氏は「認めない。第2次世界大戦後、最も残虐な虐殺を起こしているのはゼレンスキー政権」と断言した。虐殺は「ロシアに泥を塗るため」にウクライナ側がでっち上げたものとした。
ガルージン氏は、大使館側が用意した「ブチャ市の真実」と題した動画を提示。動画にはきれいなままのブチャ市内が映っており「4月2日、『ウクライナ国家警察』、ウクライナ軍がブチャ市に入る様子をビデオ動画で発表」とテロップが入っている。
ガルージン氏は「(遺体が発見されたのと)同じ通りです。誰もいない、遺体とか」と説明。「明らかにそれがウクライナ軍、ウクライナ当局による挑発で、自作自演のでっち上げです」と断言した。ロシア軍は3月30日にブチャを撤退したとされる。4月2日の映像で遺体が映っていないため、虐殺はロシア軍によるものではないと主張した。
金平氏が日本を含む各国のジャーナリストの取材では遺体があったと追求すると、ガルージン氏は「遺体がロシア軍に殺されたというのはでっち上げ」とあらためて反論した。「虐殺がなかった」のではなく「ロシア軍が虐殺したのではない」とした。
報道では、4月3日には米CNNがブチャ市内の教会の集団墓地で遺体が集められた様子を伝えるなどしている。ロシア側の映像どおり、4月2日の時点でブチャが平和だったとすれば、ウクライナ側は1日で虐殺を行い、通りに遺体を放置し、大破した戦車などを“設置”したことになる。衛星画像では3月19日の時点で通りに遺体が確認されており、かなり無理のある主張だが、ガルージン氏は報道さえも信用ならないとうスタンスだった。