橋下徹氏、学術会議「政治の関与必要」 河野氏は防衛研究「ストップ」と名指し
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が17日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演し、「日本学術会議」メンバーの任命に「政治が関与する必要がある」と指摘した。
この日は自民党広報本部長の河野太郎氏が出演。防衛研究などについて討論した。
科学技術関係の予算は現在、約4・2兆円。このうち防衛省は1600億円で、それ以外では軍事研究、軍民両用の研究にも使うことはできないとされている。番組は、元国家安全保障局次長・兼原信克氏のコメントとして「学術界が軍民両用の技術研究に反対しているため」と紹介した。
キャスターのフジテレビ政治部長・松山俊行解説委員は「日本では軍事的研究がタブー視されていたという歴史があった」と説明。河野氏は「学術界と言っていますけども、具体的には『日本学術会議』です」と名指し。「日本学術会議」防衛費での研究にストップをかけているため、大学などでも防衛がらみの研究が行われていないとした。
さらに河野氏は、インターネットやGPSに代表されるような「軍事研究の民間転用」が過去にはあり、現在では逆に民間技術を防衛のために転用することも増えてきたと説明。研究に境界線がなくなってきている中で「学術会議がこんなこと(防衛費での研究否定)を言い続けているならば、科研費(科学研究費)は配分だけ各省庁に任せる、ということをやらなければいけないだろう」と持論を展開した。
橋下氏は「学問の自由がある」とした上で「日本の安全保障を考えるのは学者じゃなくて、最後は政治家」と明言。「日本学術会議」が権力を持っており、「軍事研究は禁止」として学術界を縛るような組織であれば「組織の人事について政治が関与する必要がある。任命拒否するかどうかはしっかり政治がやるべき」と主張した。
「日本学術会議」は2020年、菅義偉首相(当時)が、学術会議側が推薦した105人のうち6人を任命拒否したことに猛反発。大きな騒動となった。