ロシア 東部制圧へ本格攻勢「ドンバスの戦い」開始 兵力1万人追加投入 戦争第2段階
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日のビデオ声明で、ロシアがウクライナ東部制圧を目指す「ドンバスの戦い」を開始したと述べた。1万人規模の兵力を追加投入し、本格的な攻勢に踏み切ったとみられ、ゼレンスキー氏は徹底抗戦すると強調した。ロシア軍が包囲する南東部の要衝マリウポリの市長は、これまでに4万人超の住民がロシアや親ロ派地域に連行されたと主張した。
ロシア軍は4月上旬までに首都キーウ(キエフ)周辺から完全撤退。東部ドンバス地域などの制圧を優先させるための部隊再編を図っており、実行に移した形だ。ロシアのウクライナ侵攻は新たな局面に入った。
ロイター通信によると、ウクライナのイエルマーク大統領府長官も「戦争の第2段階」に突入したとの認識を示した。
米国防総省高官は18日、ロシア軍がウクライナ東部と南部で、ここ数日間で大隊戦術群を11個追加投入し、計76個の態勢になったと述べた。大隊戦術群1個は約800~千人規模で、戦闘用車両や防空部隊、ヘリコプター、後方支援部隊などで構成される。
ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は、ロシア軍が18日朝、東部のほぼ全ての前線でウクライナ側の防衛の突破を試み始めたと指摘した。