渡邉寧久 「自分のスタンスを作り直す」三平笑点降板の真相

 【渡邉寧久の演芸沼へようこそ】

 「代謝が上がるのでマグネシウム風呂に入っています。そこがけいこ場。大声も出せる。最終的な仕上げは畳の上でやりますけど」

 人気演芸番組「笑点」のレギュラー解答者を退いて約4カ月。ライザップとのタイアップで18・5キロ絞った体重も「2キロしかリバウンドしていない」と笑う三平に会った。血色は実に健康的だ。

 5月20日(金)、東京・日本橋教育会館(キャパ200人)で、「第1回林家三平独演会」を開催するという。

 地方の営業で単発的に「独演会」とうたったことはあるが(主催者都合で)、「春と秋の年2回、続けます。実質的に初めての独演会です」と意欲を示す。

 ネタは、春風亭小朝(67)にけいこをつけてもらった「愛宕山」と「他に2席、1席はネタ下ろしにします」と、自らにハードルを課す。「三平、少し変わってきたね、と思わせたい。皆さんの中には、三平は落語ができないのでは、というイメージがあるみたいで」と世間の三平誤解を受け止め、いい意味で一泡吹かせようとたくらむ。

 「今だから言えますが」と前置きし、三平は「笑点」を退く決断に至る経緯を明かす。

 「コロナ禍で寄席が閉じ、仕事が減り、3カ月で体重が62キロから74キロに増えた。昼間から酒を飲み、真夜中にコンビニ行ってスイーツを買ってはドカ食いする。医者に行ったら『これはまずいですね』と。高血圧、高脂血症、高尿酸値、高コレステロールの薬をいきなり5~6種類処方され、飲むことになりました。早く死んじゃうんじゃないかと、まずは健康問題が生じました」

 そこに「笑点」での不完全燃焼が加わる。

 「自分のパフォーマンスにイマイチ納得できなかった。リモートになり、無観客になり、自分をどの方向に持っていけばいいのかすごく悩みましたね。おそらく視聴者も納得できないのではないかと。じゃあ1回(番組の)外に出て、自分のスタンスを作り直して勝負させてくれませんか、と(局に)お願いした」

 これが真相だ。

 「心が乱れると芸も乱れる。それに陥っちゃった」という時期は克服した。「自分なりにニコニコ前向きに、独演会をやろうという気持ちが出て来たのがうれしいですね」(演芸評論家)

 ◆渡邉寧久(わたなべ・ねいきゅう)新聞記者、民放ウェブサイト芸能デスクなどを経て独立。文化庁芸術祭・芸術選奨、浅草芸能大賞などの選考委員を歴任。東京都台東区主催「江戸まちたいとう芸楽祭」(ビートたけし名誉顧問)の委員長を務める。

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