ロシア休戦拒否、マリウポリ製鉄所包囲継続
ウクライナ南東部の要衝マリウポリの制圧を宣言したロシア軍は22日、ウクライナ側部隊が抵抗を続ける製鉄所の包囲を継続した。マリウポリ近郊では集団墓地とみられる塹壕(ざんごう)を掘っていることが判明。戦争犯罪隠蔽(いんぺい)の可能性が指摘され、アンドリュシェンコ市長顧問は「戦争犯罪を隠蔽している証拠」と非難した。
ウクライナのゼレンスキー大統領によると、ロシアは休戦提案を拒否。タス通信などによると、ロシア中央軍管区(司令部エカテリンブルク)のミンネカエフ副司令官は東部に加え南部の完全支配が目標だと言及した。ロシア軍幹部が南部確保の目標を公に発言したのは初めてとみられる。ロシアの侵攻開始から24日で2カ月。犠牲はさらに拡大する恐れが強まった。
製鉄所にはウクライナ内務省系の軍事組織「アゾフ連隊」の兵士ら約2千人のほか、女性や子どもを含む民間人約千人が地下のシェルターなどにいるとみられる。製鉄所経営者は米CNNテレビに対し、食料2~3週間分が保存されていたが、尽きかけているはずだと指摘した。