【The LDH Times】EXILE ATSUSHI 20周年の重み 42歳誕生日に新アルバム発売
EXILE ATSUSHIが42歳の誕生日を迎える4月30日に、ニューアルバム「ONE」をリリースする。コロナ禍が活動に支障を来す中、ファンに届ける曲作りを継続してきた賜物(たまもの)だ。EXILEデビュー20周年、ソロデビュー10周年。若さと勢いで突っ走ってきた20~30代を過ぎ、40代となり歌手人生の終着点も逆算しつつ、今を生きる。
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-「ONE」のタイトルに込められた思いは。
「そもそもアルバムを作るつもりが、そんなになくて。コロナ禍が続いて、なかなか活動が思うようにうまくいかず、曲を作っていたら、アルバムができちゃうくらいの曲数になって。卒業して一歩目の作品でもあるし、世界中がこういう情勢なので『みんなでひとつになれたら』の願いも込めつつ、シンプルなタイトルにしたくて」
-オリジナルメンバーとしてEXILE20周年の重みは。
「周りにいる人が『高校生のときに聞いてました』とか、町中で20代の子に話しかけられて、『親が大ファンです』とか言われるのが増えて、それが重みですよね(笑)。世代をまたいでEXILEのコンサートに来てくださったり、僕のソロコンサートも親子で来てくださる方も結構いらっしゃって。そういう意味では、声をかけてくださる年齢層が変わったことに、20年たったんだなと重みを感じますね」
-EXILEを卒業し、一歩引いたところから見て気付いたことは。
「初期からいるメンバーとして、『サングラスのあの男』みたいなことで、自分が思ってたより大きなものを背負ってやらしてもらってたんだな、というのは外に行って分かったことかもしれないですね。僕がいなくなり、新しい形で再構築しようとしているメンバーたちの心意気や苦悩も感じました。EXILEをどう進化させていけば正解なのか、というのを一生懸命探してるなと」
-EXILEの未来に対して願うことは。
「僕がいたときの歌詞は、夢を追いかける子供たちのことを歌ってた曲が多かったので、そういった部分は忘れないでやってほしいなと思いますね。聞こえはキレイなんですけど、実際そういうメッセージを歌うのは、責任が伴うじゃないですか。行動も伴わないと説得力がないですし」
-EXILEのドームツアーへの参加が決まりましたが。
「こういうご時世で僕は卒業ライブもできませんでしたし、断面的に捉えると復活っぽく見たりもしますが、一緒にエンターテインメントを作るというひとつの大きな意味があると感じて、やらせてもらうことを決意しました。出戻りじゃないですけど、最初はちょっと気まずそうだな。ただ、気心知れてるメンバーなので、瞬間的に雰囲気は戻っちゃうと思います。コロナ禍で2年くらいほとんど会ってないメンバーが多くて。すごい変わっちゃってたらどうしよう(笑)」
-ソロ10周年を迎えたことには。
「結構、逆算するようになった部分があります。アーティスト人生の終わりについても、卒業するタイミングでHIROさんに相談しました。60歳まで毎年ツアーをやれても、あと20回。もちろん加山雄三さんみたいに80歳を超えて歌えていたら幸せなことですが、それは神のみぞ知る。20~30代は多少、体を壊すくらい無理してでも、無知なままで怖がらずに突っ走る経験ができて良かったと思います。40になったらある程度、コレをやったらこうなる、みたいな流れが分かっちゃうし」
-阪神・秋山拓巳投手の登場曲「Put it on the line」は、どういう思いで作詞されたのですか。
「阪神ファンの皆さんがあの曲を聴きながら、背中を見て『秋山いけーっ!』という気持ちになるような曲になればなと。自分がメインで目立つのではなくて、入場のお力添えができれば」
-チームも秋山投手も巻き返しが期待されています。
「投げてて、調子いいときの『うぉりゃー』が出ればいいんですけどね。個人の調子が悪い以上に、チームの雰囲気が悪くなるのは良くない。僕らはそこの絆は、結構強めにしてました。自分が調子悪くてもグループの雰囲気が良ければ、そこに引き上げられて、スランプから抜けられますし」
◆EXILE ATSUSHI(えぐざいる・あつし)本名佐藤篤志。1980年4月30日生まれ。埼玉県出身。2001年9月、EXILEのボーカルとしてデビュー。09年11月、現上皇陛下の天皇即位20周年をお祝いする国民祭典で、奉祝曲「太陽の国」を歌唱。16年秋から1年4カ月間、米国留学。20年11月、グループ卒業。