女優、日比美思、２３歳。「ひび・みこと」は本名だ。両親からの「美しい思いやりのある子に育ってほしい」という願いが込められている。「『芸名ですか？』とよく聞かれます。基本は名前を間違えられるとこからスタートして、その分、覚えてもらえて。名前が唯一の取りえです」と誇らしげに笑う。

　デビューは２００９年。１１歳のときにオーディションで、ダンス＆ボーカルグループ「Ｄｒｅａｍ５」のメンバーに選ばれた。社会現象になったアニメ「妖怪ウォッチ」のエンディング曲でブレークし、１４年のＮＨＫ紅白歌合戦に出演。注目の存在となったが、１６年いっぱいでグループ活動は終了となった。

　「普通ならできない体験を中学生でたくさんさせていただき、卒業の頃、自分がこれからどうやって生きていくかを考えて。映画やドラマが好きで、その物語に自分が入る選択肢もあるなと。『積み上げてきた物をリセットしていいの？』と周りからは言われましたが、一度きりの人生、やりたいことに突き進もうと思って」

　女優転身５年目を迎え、ＴＢＳ系で放送されたドラマ「ｌｉａｒ」のスピンオフで、ｄＴＶで配信中の「ｌｉａｒ～すれ違う恋～」ではヒロインを務めている。仕事に向き合う姿勢はとにかく真摯（しんし）で、尊敬する同業者のインタビュー記事を書き起こし、頭の中に入れることもある。「人を知って、いろんな知識も得たいと思ってます。言葉選びも変わっていくでしょうし、いろんな引き出しを増やせたら」。真面目な人柄は必ず己を輝かせる。

　◇日比美思（ひび・みこと）　１９９８年９月２０日生まれ。神奈川県出身。２００９年、「Ｄｒｅａｍ５」のメンバーとしてデビュー。１４年、アニメ「妖怪ウォッチ」のエンディング「ようかい体操第一」で、「第６５回ＮＨＫ紅白歌合戦」の企画コーナーに出演。１７年からは女優として活動。主な出演作は、ドラマ「３年Ａ組～今から皆さんは、人質です～」、「真夏の少年～１９４５２０２０」など。