知床観光船沈没事故 「飽和潜水」で引き揚げ準備へ 費用8億7千万円
斉藤鉄夫国土交通相は2日、水深120メートルの海底で見つかった船体の引き揚げに関し「民間業者の専門技術を活用しつつ、国交省の総力を挙げて準備を開始してほしい」と指示した。海上保安庁は同日、深い海への潜水が可能な「飽和潜水」の専門技術を持つ民間業者と契約し5月中にも捜索を始めると明らかにした。4月30日に「日本サルヴェージ」と結んだ。費用は8億7700万円。
沈没事故などへの対応は海上保安庁の特殊救難隊でも水深60メートル程度が限界で、作業時間も限られる。飽和潜水は大きな水圧がかかる深い海での作業に備え時間をかけて体を慣らしてから潜る技術。水圧に備え、あらかじめ体を合わせるため準備に時間がかかるが、より深い海中での長時間作業に耐えられる。