2児の母・坂下千里子「子供産んで自分も生まれ変わったかな」 ニュース番組初MC【前編】
2児の母でタレント・坂下千里子(46)が4月からスタートしたABCテレビのニュース番組「news おかえり」(関西ローカル。月~金曜、後3・45~7・00)の木曜MCに就任した。32歳で第1子長女(13)を出産し、働きながら子育てをする難しさに直面。視野が広がり、「この子が住む日本をもっといい国に」と願うと同時に、ニュースに関わる仕事への思いが強まったという。ニュース番組のMCに初挑戦する坂下に思いを聞いた。【前編】
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「一番最初に(MCの)お話を聞いた時は、驚き。それから『やったな!』って。自分が一番興味ある、やりたい仕事だったので、すぐ『はい!』って言いました」(※メインMCは横山太一アナウンサー)。
レギュラーを務めたNHKの日曜夕方の国際情報番組「これでわかった!世界のいま」が昨年3月で終了。長女が小学校入学から卒業まで6年間、自身も同番組で世界の情勢に目を向ける機会を得、共に学んだ。「終わったのが寂しくて寂しくて」。すぐにマネジャーに「ニュース番組をやりたい」と伝えたという。
31歳だった08年に「もしもツアーズ」(フジテレビ)で一緒だったカメラマン(43)と結婚。32歳で長女、34歳で長男(11)を出産。今春、それぞれ中2、小6に進級した。
「20代のころは本当にバラエティーが楽しかったんですけど、30代になって、結婚して、子供を産んで、自分の中で何か変化が。この子がこれから住む日本を、もっといい国にしたい、って急に思うようになって、自然とそういう番組に目がいくように。子供を産んで、自分も生まれ変わったんですかね。日本のこんな所を直したい、とか。なんか政治家みたいな気持ちになっちゃって(笑)」。
働きながら育児をする大変さは、「子供を産んでみないと実感できないことだった」という。子供ができ、仕事との両立が難しく、やむなく転職する友人を何人も見てきた。「やりたい仕事に巡り会えたことが素晴らしいのに」。どうしたら?と考えるようになった。当時、小学校入学を機に保育所に代わる預け先がなくなり、保護者が仕事を続けにくくなる『小1の壁』が問題となっていた。
「『働くママを応援』政策とかあったんですけど、それがママたちには全然働きやすくなってないのが実感だった。政府と現場の、私達の気持ちが全然違うなー、ってママ友たちと話してるうちに、(ニュースに)興味が出てきた、って感じです。(10代で芸能界に入って)全然勉強してなかった分、今になって学びたい、という気持ちが、30代で出てきたんだと思います」。
「おかえり」MCで週1回の大阪通勤に。周囲からは「子供がいて、よく引き受けたね」と言われるというが、「自分の人生だし、自分がやりたい、興味のある仕事で、やらないっていう選択肢はなかったです。もしかしたら子供は『ママ木曜日いないからヤダ』って思ってるかもしれないですけど」。
フリーランスのカメラマンである夫は朝早く家を出て、夜遅く帰宅する。家事も育児も、坂下が全てやっていたが、3年前、夫に「(1週間に)2日でいいから、木・金だけパパやって」と分担制を提案。しかし、「2週間持たなかったですね、パパが爆発しちゃって。『これはできない!無理だ!』って(笑)」。
夫には木曜日はなるべく夕方までに終わる仕事にしてもらうよう頼んだ。4月は、2週にわたり、「長女のお弁当のついで」(坂下)に、坂下にも弁当を作って持たせてくれた。あとは、子供たち。「つい(何でも)やっちゃってましたね、全部。過保護。悔い改め中です、今。“子供関白”を矯正中です(笑)」。
結婚してからずっと「噴火してます、日々」と笑う。怒りは溜め込まず、日々吐き出す。夫婦ゲンカもするが、母譲りのようで、「寝たらおしまい」気質。「パパは私が言うことを、怒りを通りこして、呆れてる。でも、平和にやってます」。
仕事をやめようと思ったことは?と聞くと、「今まで…ないですね」と口にして、続ける。「結婚も(やめようと思ったことは)ないです。これからありますかね、結婚は。いつか来るのかな。分かんない、夫の方はもしかしたら、あったかもしれない」。自らツッコミを入れながら軽やかに笑った。