将棋の藤井聡太竜王（１９＝王位・叡王・王将・棋聖との五冠）が６日、大阪・関西将棋会館で指された第７０期王座戦挑戦者決定トーナメントで、大橋貴洸六段（２９）に１２９手で敗れた。これで本年度の七冠達成の夢はついえた。現在保持している五冠と棋王を合わせた六冠が達成可能。

　通算２勝３敗と負け越していた“藤井キラー”相手に惜敗した。２０年６月ぶりとなる対局は矢倉模様となり、ほぼ五分のまま際どい終盤戦へ。ＡＩの評価値が極端に振れるシーソーゲームとなったが、最後は即詰みに討ち取られた。

　藤井竜王は「自信のない局面の多い将棋だったのかなと思いました」と肩を落とした。王座戦では昨年度に引き続いての挑戦者トーナメント初戦敗退に「残念に思います。他の対局もあるので、内容に関してもしっかり修正できるようにやっていきたいと思います」と前を向いた。

　次局は、出口若武六段（２７）との叡王戦第２局が１５日に、愛知県名古屋市で指される。４月２８日の開幕局は勝利している。