【山田美保子のミホコは見ていた!】大人の視聴者に刺さる木村拓哉「未来への10カウント」

 朝ドラ、大河、紅白、月9、そして木村拓哉主演のドラマは視聴率の高低や推移が毎回取沙汰される。特に木村のそれは、始まる前から色々と書かれ、始まってからも制作側の企画意図や現場のリアルなどにはほとんど触れないアンチコメントを拾っただけのネットニュースが多いことには辟易させられる。

 4月14日にスタートした「未来への10カウント」(テレビ朝日系)は、生きる希望をなくした元ボクサー・桐沢祥吾(木村)が母校の弱小ボクシング部のコーチに就任。部員の高校生らと共に未来へ向かって走り出だす学園スポーツドラマ。木村と同局とのタッグは「アイムホーム」(2015年)「BG~身辺警護人~」(2018年、2020年)に続く3作目だ。先の2作でもテレ朝ドラマ班は、フジテレビ制作やTBS制作とは異なる、カッコイイだけではない木村拓哉を描くべく挑戦してきた。そのことは長年、良くも悪くも言われ続けてきた「キムタクは何をやってもキムタク」なる声を少しずつ変えることに成功している。

 果たして「未来へ~」での桐沢の“くたびれ感”と“人生を投げ打っている感”は、これまで一度も見たことがなかった木村拓哉。桐沢に降りかかった人生の絶望の数々は、若者よりは大人の視聴者に刺さるし伝わるものではないかと思う。桐沢にとって、わずかな拠り所だった焼鳥店がコロナの影響で閉店してしまうリアルもキチンと描かれている。

 現場からも“意外な木村拓哉”評が続々と伝わってくる。キャッチコピーの「何度でも、立ち上がる。」を考案したという新任のボクシング部顧問役の満島ひかりと校長役の内田有紀は木村を「癒し系」と言い、満島はその様子を「モフモフモフ~」と表現。木村主演の「HERO」(フジテレビ系)の脚本も担当した福田靖氏との入念な打ち合わせでは、「周りを輝かせる月のような存在になりたい」という木村本人からのリクエストがあったと聞く。

 前述のテレ朝ドラマ班との風通しもすこぶる良く、同局宣伝部も「木村さんのために」と強力な応援体制を敷いている。取材をしていて、本当に気持ちのいい“現場”。木村拓哉の座長力のなせるワザである。

 定番のジャンルでも、ベタな学園ドラマでもない大人のドラマ。12日放送の第5話は〈拡大スペシャル〉。木村拓哉主演の「未来への10カウント」、まだまだ間に合う。

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