歌手・佐々木新一（ささき・しんいち＝本名佐々木新市）さんが１２日午前４時ごろ、胃がんで死去したことが分かった。７５歳。キングレコードが文書で発表した。１５日に家族葬を執り行う。喪主は妻の佐々木幸恵（ささき・さちえ）さん。「ご会葬・ご香典の儀はご辞退申し上げます。」としている。

　佐々木さんは１９４６年、青森県藤崎町出身。父は三味線奏者、母は民謡歌手という音楽一家の出身だった。６３年、高校２年生で上京し、作曲家の故・桜田誠一さんの門下生となる。６５年に「若さの世界」でデビューした。

　伸びのあるハイトーンボイスを武器に活躍し、６６年に「あの娘たずねて」がヒットし、ミリオンセラーを記録した。ほかに「リンゴの花が咲いていた」「君が好きだよ」などもヒットを記録。２０１２年には鏡五郎、池田輝郎とともに中年男性演歌ユニット「佐田鏡五一郎」を結成するなどした。

　１６年に胃がんが発覚したが、治療を続けながら歌手活動を続けていた。最後のシングルは１８年５月に発売した「別れの港」だった。