加藤一二三九段 自身に並んだ藤井叡王を絶賛 八冠独占&タイトル100期にも太鼓判

 第7期叡王戦五番勝負第3局が24日、千葉県柏市の柏の葉カンファレンスセンターで指され、藤井聡太叡王が109手で挑戦者の出口若武六段に勝利。3連勝で防衛を果たし、通算8期目のタイトル獲得となった。

 藤井叡王に更新されるまでプロ入りの歴代最年少記録を持ち、藤井叡王の初対局の相手も務めた加藤一二三九段が同日、デイリースポーツの取材に対応。タイトル獲得数で自身に並んだ藤井叡王を絶賛し、将来的な「八冠独占」や「タイトル通算100期獲得」に太鼓判を押した。

 加藤九段は「藤井さんが10代でタイトル通算8期ということで、本当にお見事です。おめでとうございます」と祝福。「私もタイトルは通算8期なんですが、王将にしても名人にしても、3回、4回と挑戦を重ねてようやく獲得しました。それが藤井さんは、全部1回目に獲得している。すごいことだと思いますね」とたたえた。

 藤井将棋の強さの秘けつを「歴代の大棋士と比べても、研究の量が非常に豊富。そして急所をとらえているというか、効率の良い研究をしていると思います」と分析。「今回の叡王戦はすべて相掛かりで勝ちましたが、角換わり腰掛け銀、後手番での矢倉など、戦法のレパートリーが広いことも特徴的ですね」と評価した。

 今局についても「出口六段が勝ちそうな局面もありました」としながら、「やはり最後はしっかりと勝利に結びつける“勝負術”も素晴らしい」と手放しで絶賛。「この充実ぶりなら、八冠独占や、将来的なタイトル通算100期というのも、十分に可能性があると思っています」と“予言”した。

 その上で、今後の注目点として「私としては、もうすぐ始まるA級順位戦で、名人挑戦者になれるかどうか」と指摘。「藤井さんは『早く名人になりたい』と公言されていますし、どんな戦いを見せてくれるか楽しみですね」と話した。

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