カンヌ映画祭 早川監督が特別表彰 新人監督賞“次点”25年ぶり快挙
仏南部で開催された第75回カンヌ国際映画祭の授賞式で日本時間29日、コンペティション部門に出品された是枝裕和監督(59)初の韓国映画「ベイビー・ブローカー」(6月24日公開)に主演した俳優ソン・ガンホ(55)が男優賞を受賞した。「ある視点」部門で上映された「PLAN75」(6月17日公開)の早川千絵監督(45)が新人監督賞で次点に当たる特別表彰を受けた。最高賞「パルムドール」にはスウェーデン映画「トライアングル・オブ・サッドネス」が輝いた。
新人監督賞では“是枝チルドレン”の早川監督が25年ぶりとなる快挙だ。18年、是枝監督総合監修のオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」内で、監督した短編映画を長編に再構築。緊張した表情でステージへ上がり、「特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます」と語った。
早川監督は14年にもカンヌで学生映画部門に短編「ナイアガラ」が選出されているが、本部門で日本人監督が選ばれたのは、1997年に河瀬直美監督(52)が「萌の朱雀」で新人監督賞を日本人監督として初受賞して以来。是枝監督は「デビューでここに来られて、本当に素晴らしいスタート。昨年、濱口(竜介)さんが獲って、今年早川さんが続いていくのは日本映画にとってもいい流れだと思います」と喜んだ。
本作は倍賞千恵子(80)主演で、75歳以上の高齢者が生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を描く。