早見あかり 充実の“シン・生活”「シン・ウルトラマン」生物学者役で存在感

 1966年誕生の人気特撮ヒーローを現代によみがえらせた映画「シン・ウルトラマン」が、29日までの公開17日間で興行収入27億円超えと大ヒットを記録している。謎の巨大生物たちと戦う通称・禍特対のメンバーとして存在感を見せているのが女優の早見あかり(27)。特殊な撮影を振り返ると共に、コロナ禍で第1子となる女児を出産し、子育てと女優業の両輪で奮闘する日々を聞いた。

 快進撃を続ける「シン・ウルトラマン」の撮影は2019年。コロナ禍で作業がストップするなど不測の事態もあったが、日本トップクラスのスタッフにより公開2週間ほど前に完成にこぎ着けた。

 早見は、樋口真嗣監督から受けた説明として「ラストスパートは日本中の他のCG制作を全部止めて、全員が『シン・ウルトラマン』に集結したくらいのイメージだったと言っていました」と笑う。

 演じたのは巨大生物たちと戦う禍特対の汎用生物学者。セリフが膨大な上に専門用語も多く「セリフは写真で覚えるタイプで覚えは悪い方じゃないんですが、自分のものとして言葉にするのが難しかったです。口から出る言葉として違和感が生じないよう、ずっと呪文のように唱えてました」と振り返る。

 隙間や足元にスマホやGoProを設置し、場面によってはキャストが持ちながら演じるなど、最大18台のカメラに囲まれての異色の撮影が展開された。ところが「記憶容量の少なさは天下一品だと胸を張って言えるんですけど、全然覚えてなくて。撮影からこの間、いろいろあったので…」と照れ笑いする。

 18年に結婚した一般男性との第1子となる長女を20年10月に出産。髪をショートにし、コロナ禍ど真ん中を妊婦として過ごした。

 「2月に妊娠が分かって、3月に最初の緊急事態宣言。ずっと閉じこもって、愛犬と旦那さんと、本当に時々、母親に会うくらい。コロナ禍のマタニティーは、すごいきつかったですね。ずっと家にこもっていて…。もう覚えていないです」

 今は仕事のため外に出ることで子育てとのバランスが取れているという。出産前は子供が3歳になるまでは仕事を休むつもりだったと明かし「でも、働きたい気持ちも出てきて、全然産む前の想定と違うんですね。コロナでずっと引きこもっていた時間は心がめいることもあって、外の世界に出るのは私にとってすごく大事なんだなと思いました」と“シン・生活”を説明。母へと変身し「ポジティブな気持ちで子育ても仕事もやっています」と表情は充実感にあふれていた。

 ◆早見あかり(はやみ・あかり)1995年3月17日生まれ。東京都出身。小6の時に池袋でスカウトされ、芸能界入り。08年にももいろクローバーに加入し、11年に脱退。女優活動を本格化させ、14年下期のNHK連続テレビ小説「マッサン」で主人公の妹役を好演。主な出演作は映画「百瀬、こっちを向いて。」やドラマ「ラーメン大好き小泉さん」。9月には舞台「血の婚礼」が待機中。

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