写真家、田沼武能さん死去93歳 世界の子ども撮影
世界の子供たちの撮影をライフワークとした写真家の田沼武能(たぬま・たけよし)さんが1日、東京都の自宅で死去した。93歳。東京都出身。葬儀の日取りは未定。喪主は妻敦子(あつこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。
東京写真工業専門学校卒。木村伊兵衛に師事し、月刊誌「芸術新潮」嘱託として文学者や芸術家を撮影。1965年、米タイム・ライフと契約したのを機に各国の子供を撮り始め、写真集「すばらしい子供たち」などが高く評価された。
100カ国以上を訪れ、84年からは友人で国連児童基金親善大使の女優・黒柳徹子に同行。戦争や貧困の中でも瞳の輝きを失わない子供たちを捉えた。
写真集「下町今昔物語」など、戦後の暮らしの変化を写し取った作品も多い。他の写真集に「文士」「アンデス讃歌」、著書に「人間万歳」など。
85年菊池寛賞。2019年には写真家として初の文化勲章を受章した。