【気象予報士・天達武史氏コラム】梅雨入りは9月に決まる!
6月といえば「梅雨」。洗濯物がなかなか乾かず嫌いな人も多いと思いますが、実はいいことだらけ。一年で一番強い紫外線を分厚い雲が遮ってくれ、デパートやスーパーでは雨の日割引なんかもやってる。
色とりどりのあじさいが咲き誇り、苔むしたお寺なんかは雰囲気抜群。何より夏の水不足を解消してくれますよね。
「梅雨入り」とは、平年の梅雨入り(関東甲信地方は6月7日)前後に晴れの日が続いたあと、週間予報で雨や曇りの日が続くと予想されるときに「梅雨入りしたとみられる」と発表します。
なんともふわっとしていますが、以前、晴れていたので「今日の梅雨入りの発表はないでしょう」なんてお伝えしたら2時間後に梅雨入りしてしまったことがあったんです。もうびっくり!だって晴れてるんですよ。
実はその年、梅雨入りがかなり遅れていて、東京はたしかに晴れていましたが、北関東や甲信地方は曇りや雨で梅雨入りの発表になりました。
しかも気象庁の朝の週間予報では晴れの日が多かったのに、11時に更新したときには1週間全て曇りマークに…。
あのときは翌日、本気でフジテレビに行くのやめようと思いました。
そんな梅雨入り、梅雨明けですが、実は毎年9月に確定します。梅雨明け後にその年の梅雨入り、梅雨明けをあらためて検討して9月に決定するんです。
実際に関東甲信地方では2001年以降、梅雨入りが変更になったのは7回。3割以上の確率で変わっています。今年はどうなるのか?
梅雨入り発表の本当の目的は、大雨による災害が発生する時期に入ったことを知らせて備えてもらうためです。今年は梅雨入り早々雨量が多くなる可能性がありますので早めに備えをお願いします。
◆天達武史(あまたつ・たけし)1975年生まれ。神奈川県横須賀市出身。高校時代は野球部に所属。2002年に気象予報士試験に合格。05年10月からフジテレビ系「情報プレゼンターとくダネ!」、21年3月から「めざまし8」のお天気を担当。