将棋の永世名人に襲位した谷川浩司十七世名人（６０）が９日、東京・将棋会館で推戴状授与式に登壇した。

　４月に還暦を迎えたことを受け現役のまま５月２３日付で襲位。「（永世名人を名乗った）過去の３人は大名人。私は時代を築くことはできず、戸惑いもありましたが、節目もありましてありがたくお受けしました」と謝辞を述べた。実力制名人戦となって、永世称号を名乗るのは４人目となった。

　谷川十七世名人は、８３年に最年少の２１歳２カ月で名人に。今期からＡ級の藤井聡太竜王（１９＝王位・叡王・王将・棋聖との五冠）が今期に挑戦権を奪取、来期に名人奪取となると最年少記録を更新する。自身と比べ「若い頃から５つ持っていますので、年齢は近いわけですけど実力実績は圧倒的に上。じっくりと見守りたい気持ちですね」と話した。

　「４００年以上の将棋の歴史の中で、令和に入ってから将棋が変革して面白い時期になっている。変革の時代に現役でいられるのは幸せと思って取り組んでいきたい」と明かした。