乙武洋匡氏 電動車いすで渋谷→国会議事堂「ワシントンならぬ東京大行進」
7月10日投開票の第26回参院選が22日、公示され、東京選挙区(改選数6)から無所属で出馬した作家の乙武洋匡氏(46)は、東京・渋谷センター街に構えた選挙事務所前で第一声を上げ、その後、電動車いすで国会議事堂までの約5キロを練り歩いた。
渋谷区の長谷部健区長が応援にかけつける中、乙武氏は「非常に手応えを感じております」と充実の表情。この日までにボランティアの数が目標の1000人を上回る約1200人、寄付金は2000万円を突破したことを報告。多様性の実現を目指し「皆さんの悲痛な叫び声を、私を通して届けていきます」と決意を示した。
その後は約2時間をかけ、有権者と触れ合いながら国会議事堂へ移動。選挙ポスターの撮影時以来、約1カ月ぶりに見る“目標の地”に「あの時は孤独な戦いになるな、という思いで眺めていたが、そこから多くの仲間が集まってくれて、ここにたどりつけた。3週間後、もっと多くの仲間とここに来られたら」と思いをはせた。
国会前での演説では、この日の練り歩きを米国の公民権運動の象徴的な出来事となった「ワシントン大行進」になぞらえ「まさにワシントンならぬ東京大行進。これを一歩にして共感してくれる人を増やしていって、ここから18日間をかけて、国会議事堂に必ずたどりついてみせたい」と声を張った。無所属という厳しい環境下での戦い。自身の言葉に涙する支援者を見て「泣かないでよ、おれも泣けてくるんだよ…」ともらい泣きするひと幕もあった。