藤井聡太王位 完敗発進 かつての“天敵”豊島九段の猛攻に17時30分終戦

 豊島将之九段(左)に敗れた藤井聡太王位(日本将棋連盟提供)
 藤井聡太王位(日本将棋連盟提供)
 藤井聡太王位(右)と豊島将之九段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の第63期王位戦七番勝負第1局2日目が29日、愛知県犬山市のホテルインディゴ犬山有楽苑で指され、藤井聡太王位(19=竜王、叡王、王将、棋聖との五冠)が豊島将之九段(32)に121手で敗れた。藤井王位は豊島九段の猛攻撃を受け続ける展開が続き、2日目は反撃もむなしく完敗。厳しいスタートとなった。第2局は7月13、14日に北海道札幌市のぬくもりの宿ふる川で指される。

 昨年二冠を奪い無冠に追い込んだ、かつての“天敵”にまさに完敗だった。一人で頭を抱え続けた五冠は、終始精彩を欠き、豊島九段に約1時間半を残され、17時30分に早い終戦となった。

 1日目から、豊島九段のハイペースな猛攻撃を、持ち時間約3時間差となりながら耐え、ほぼ互角で迎えた2日目。意を決して藤井王位も豊島玉に切り込んだが、力及ばなかった。

 「かなり自玉が薄い展開を強いられるので、まとめ方が難しいと指していました。攻め込まれてかなり怖い展開が続いていた。攻め合いに行ったら、すぐに負けになってしまったので、丁寧にやらなきゃいけなかったのかなと思います」

 2年連続となった顔合わせで、2日制では昨年6月29、30日の前期王位戦第1局豊島九段戦以来、1年ぶりとなる敗北。昨年も15時半終局の「完敗」スタートだったが、その後4連勝で防衛。手痛い敗北を糧に、叡王戦、竜王戦でも豊島九段を破り、一気に五冠まで上り詰めた。

 6月3日の棋聖戦初戦では永瀬拓矢王座(29)にタイトル戦連勝を13で止められ、直近10戦で3敗中など、やや“不調モード”の印象だが、「第2局は先後が決まっているので、しっかり準備して臨めたらと思います」と涼しい顔。今年と同じダブルタイトル戦となった昨年7月は公式戦8戦8勝の勝率10割と絶好調。今年も熱い夏にする。

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