野村昭子さん 死去 95歳「家政婦は見た!」「渡る世間は鬼ばかり」など名脇役
「家政婦は見た!」や「渡る世間は鬼ばかり」などの人気ドラマシリーズで庶民的な名脇役として親しまれた女優の野村昭子(のむら・あきこ)さんが死去したことが2日、分かった。95歳。1日に都内の自宅で倒れているのを親族が発見し、死亡が確認された。
1927年1月2日、東京・神田生まれの江戸っ子。東京薬学専門学校(現東京薬科大)を卒業し、薬剤師の資格を取得した。1949年に俳優座養成所1期生となり、女優に転身した。
ドラマではNHK連続テレビ小説「おはなはん」、大沢家政婦紹介所の所長役を演じたテレビ朝日系「家政婦は見た!」シリーズ、小料理屋「おかくら」を手伝う青山タキ役を演じたTBS系「渡る世間は鬼ばかり」シリーズなどの国民的ヒット作にレギュラー出演。映画では黒澤明監督の「赤ひげ」「恍惚の人」「砂の器」「あゝ野麦峠」などのヒット作に出演した。
俳優座で千田是也氏に教わった、台本をきちんと覚えることが主義。完璧なセリフ覚えとNGをほとんど出さないことで知られた。
テレビ朝日は、訃報を受けコメントを発表。「名バイプレイヤーとして、テレビ朝日で放送した数多くのドラマにご出演いただきました。『家政婦は見た!』では、主演の市原悦子さんと丁々発止の掛け合いを繰り広げ、25年以上も続く、土曜ワイド劇場の名シリーズとなりました」と感謝を示し、「野村昭子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます」と悼んだ。
私生活では、2001年に夫で演出家の増見利清さんを73歳で亡くし、その後は都心で独り暮らし。2度のがんを患ったが克服した。19年には市原悦子さんの葬儀に参列し、今年も最近まで元気な姿を目撃されていた。