俳優の大泉洋（４９）がＮＨＫ大河ドラマ「鎌倉殿の１３人」（日曜、後８・００）で演じた源頼朝が、３日放送の第２６回「悲しむ前に」で落命した。源氏の総大将として時に残忍な顔を見せながら物語をけん引してきた立役者が退場。「日本中から嫌われました」と苦笑いする大泉が、撮影を終えての心境を明かした。

　弟の義経や範頼をうつなど非情な決断を下す頼朝を体現し、現場では「全部、大泉のせい」とイジられまくった。前回２５回で落馬し、昏睡状態となり、最期の姿が描かれたこの日。大泉は「あまりにも頼朝はひどく描かれてますからね。『ひどい殺され方してほしい』なんて言われてしまってる」と笑いにしつつ、小池栄子演じる妻・政子とのラストシーンについて「すごく美しいカットだったんです。小池栄子さんの熱演も素晴らしかった。とても印象に残ってます」と感慨深げに振り返った。

　脚本の三谷幸喜氏が、シリアスもコメディーもこなす大泉を当て書きし、本音の見えぬ多面的な存在として描いた。大泉は、上総広常（佐藤浩市）を罠にはめた第１５回を振り返り「もう本当にあれで日本中から嫌われました。三谷さんからメールが着て『案の定、日本中を敵に回しましたね』ってひとこと目に書いてあって、最後に『でも僕は大好きです』って。あきらかに面白がってますよね。三谷さんの歪んだ愛が私をいつも襲ってます」と苦笑いする。

　次々に主要人物を消す“国民の敵”となったが「自分が演じる役ですから、皆さんが言うほど僕は嫌いじゃないです」と吐露。幼くして伊豆に流されつつも神に祈りをささげた頼朝の本心に思いをはせた。