安倍元首相 無言の帰宅 昭恵さんは沈痛な表情 首相、小泉元首相ら弔問
安倍元首相の遺体を乗せた車は9日午後、銃撃後に搬送された奈良県の病院から、東京都渋谷区の自宅に到着した。同日午前6時すぎの出発から陸路で約7時間。助手席に同乗していた妻の昭恵さん(60)は、想像もしなかった夫の無言の帰宅という現実に、沈痛な表情だった。
元首相の遺体を乗せた車列は午後1時35分ごろに到着。黒っぽい服に身を包んだ自民党の高市早苗政調会長や福田達夫総務会長らが並んで出迎えた。昭恵さんは黒い車の助手席から集まった報道陣に会釈した。
共に出迎えたフジサンケイグループの日枝久代表によると、遺体は頭部に包帯が巻かれていたが、表情はいつも通りに見えたという。取材に「長い付き合いになる。日本のために本当に残念だね」と惜しんだ。
自宅には岸田文雄首相が弔問に訪れた。山梨に応援演説に向かい、その後、新潟に向かう合間に帰京し、約10分間、安倍氏の自宅に滞在した。その後も小泉純一郎元首相や森喜朗元首相、小池百合子東京都知事らが次々と姿を見せ、別れを惜しんだ。
また、安倍元首相の地元・山口県下関市の事務所は通夜が11日に、葬儀が12日に執り行われると明らかにした。喪主は昭恵さん。自民党関係者によると、会場はいずれも東京都港区の増上寺を予定し、近親者のみで執り行うとしている。