生稲晃子氏 涙の当確 天国の安倍元首相に吉報届けた「当選が恩返しと思っていた」
第26回参院選は10日、投開票された。自民党は改選55議席を上回り勝利し、公明党と合わせて与党で改選過半数の63議席も確保した。著名人候補では、全国最多34人が立候補した激戦の東京選挙区で、元おニャン子クラブでタレントの生稲晃子氏(54)=自民党=が初当選確実。作家の乙武洋匡氏(46)は落選確実となった。昨年の衆院選で落選した立憲民主党の辻元清美前副代表(62)は参院選比例代表にくら替えし、国政復帰を果たした。
午後11時34分、姿を見せた生稲氏はに黒い喪章を付けた白いポロシャツ姿で、涙を浮かべて深々と頭を下げた。「今夢を見ているようです。頭の中からっぽになってます。ここまで連れてきてくださって、ありがとうございました」。政治家の“素質”を真っ先に見抜いてくれた安倍晋三元首相の銃撃死から2日後、悲しみが癒えない中で桜を咲かせた。
「応援し支えてくださった安倍元総理大臣が、いないことが信じられません。当選することが恩返しと思ってたので、今日は本当に良かったと思ってます。安倍先生がどこかで見てくださってると信じてます」と安倍氏への思いを吐露。バンザイは封印したが、万雷の拍手に笑顔を浮かべた。
先月22日の公示日の第一声に駆けつけて「今度は生稲さんに政治家として次々といろんな提案をし、実行していただきたい」と熱く訴えるなど4度、応援演説を行った安倍氏。死の前日にも生稲氏不在の選対会議に参加していた。
猛暑の選挙戦で、がん経験者だけに周囲からは体調面を心配されたが、移動車中ではクーラーボックスを使用して、足湯ならぬ足冷水でクールダウン。疲れがたまると夜中に点滴を受けて、翌朝の選挙活動に備えた。
予定された安倍氏とのマイク納めはかなわなかったが「安倍先生が思い描いていた日本を引き継がないといけない」と、恩返しのスタートラインに立つ。