ＮＨＫ「クローズアップ現代」が１１日放送され、安倍晋三元首相の銃撃事件について報道。安倍氏が、世界平和統一家庭連合（２０１５年に統一教会から名称変更）の関連団体「ＵＰＦ（ＵＮＩＶＥＲＳＡＬＰＥＡＣＥＦＥＤＥＲＡＴＩＯＮ）」が昨年開催したイベントにメッセージを送っていたことを伝えた。

　イベントにはトランプ前米大統領もオンラインで参加していたと説明。続けて「安倍元総理大臣のビデオメッセージも紹介されました」とし「演説する機会をいただいたことを光栄に思います。ＵＰＦの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を強調する点を高く評価致します」と語る動画をオンエアした。

　今月８日に安倍氏が銃撃され死亡した事件で、山上徹也容疑者はこれまで、母親が世界平和統一家庭連合に多額の寄付をしたため同団体に恨みを持ち、安倍氏がその団体とつながりがあると思い、安倍氏を狙ったという趣旨の供述をしていた。

　１１日には世界平和統一家庭連合の田中富広会長が都内で会見。田中会長は、山上容疑者の母親が教会員だと明らかにした。０２年に母親が経済的に破綻したことも認識しているとした。

　その上で、安倍元首相との関わりについて「世界平和運動に対しては賛意を表明してくださっておりました」と説明。ただ、安倍氏が会員や顧問になったことはないと明言した。山上容疑者が世界平和統一家庭連合に恨みを抱き、そこから安倍氏を標的にしたことには「困惑しております」と答えていた。