世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の田中富広会長が１１日、東京都内で記者会見し、山上徹也容疑者（４１）の母親が信者だと明らかにした。容疑者については、信者ではなく「恨みを示されることはなかった」と関係を否定した。

　田中会長は「安倍元首相が友好団体にビデオメッセージを送ったことがある」としたが、選挙協力や献金といった関係はないと説明。「自分たちへの恨みから元首相の殺害に至るというのは、大きな距離があって困惑している」と述べた。

　田中会長によると、母親は９８年ごろ入会し、０２年ごろ家庭が破綻。０９年ごろ連絡が途絶えたが、１７年ごろから月１回程度、関連行事に参加するようになった。直近では約２カ月前に出席した。母親の寄付の状況は「差し控える」とし、家庭の破綻後も寄付を要求したかどうかは記録が残っていないと説明した。

　捜査関係者によると、容疑者は「母親が宗教団体に入信し、家庭が崩壊した」と供述している。田中会長は「それが動機なら、教団においても重く受け止めないといけない」との見解を示した。