山下洋輔「覚えててくださって、ありがたい」 トリオ伝説ライブ“再演” 村上春樹氏が提案
ジャズピアニストの山下洋輔(80)が12日、東京・早稲田大学の大隈講堂で「村上春樹presents山下洋輔トリオ 再乱入ライブ」を行った。
学生運動まっただ中の1969年7月、バリケード封鎖された早大キャンパス内で、サックスの中村誠一(80)、ドラムスの森山威男(77)との山下洋輔トリオで敢行した伝説のライブが、当時在学していた作家・村上春樹氏(73)の提案により“再演”された。
ヘルメットにゲバ棒の学生であふれた53年前にも奏でた楽曲「テーマ」と「木喰」を、肘で鍵盤を押す独特のスタイルを交えて披露。「50年前にあっちの教室でやったのと、同じ出だし」とこだわりを見せ、観客1100人を半世紀前へとタイムスリップさせた。
万雷の拍手に「50年語り継がれて、このトリオを覚えててくださって、本当にありがたい」と胸を熱くした。
早稲田大国際文学館とTOKYO FMの共催で実現。トークゲストの村上氏は前回を見ていないというが、「革マル派が握ってた大隈講堂からピアノを運び出して演奏する、ムチャクチャな企画。こんな危険なことはない」と述懐。当時、テレビディレクターとして仕掛け人となった田原総一朗氏(88)も来場し、「すごい迫力。50年前と全く変わらない」と絶賛していた。