安倍元首相 今秋に国葬 岸田首相発表、極めて異例の実施に賛否両論も 吉田茂氏以来

 岸田文雄首相は14日の記者会見で、参院選の街頭演説中に銃撃を受け死去した安倍晋三元首相の葬儀について、秋に「国葬」として実施すると発表した。「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示す」と強調した。首相経験者の国葬は67年の吉田茂元首相以来で、極めて異例。

 国葬は国が責任を持って開催し、費用を国が負担する。対象者や実施要領を明文化した法令はない。最近の首相経験者の葬儀は内閣と自民党が費用を分担する合同葬が通例で、国費支出を問題視する声も出ていた。史上最長の首相在職日数を記録した安倍氏とはいえ賛否が分かれそうだ。

 岸田氏は、国葬は内閣府が所管する国の儀式で、閣議決定を根拠に実施できると指摘。「行政が国を代表して行い得る」と強調。内閣法制局とも調整済みだとした。

 首相経験者の葬儀は、大平正芳氏が在職中に死亡した際の「内閣・自民党合同葬」が原則踏襲されてきた。06年の橋本龍太郎元首相の合同葬は約7700万円を支出。20年の中曽根康弘氏の合同葬は、政府が約9600万円を支出。当時の蓮舫立憲民主党代表代行が「合同葬に税金を支出。納得してくれますか?」とSNSに投稿。国が費用の一部を持つことに異論が出た。

 安倍氏の国葬について、自民党の森山裕前国対委員長は「功績、国際的な活躍を考えると国葬にふさわしい方だ」と歓迎。共産党の小池晃書記局長は「費用負担や国民の参加のあり方をよく見ていきたい」とした。

 日本維新の会の松井一郎代表は「反対ではないが賛成する人ばかりではない」。立憲民主党の小川淳也成長会長は「功績は十分あるので、政府は国葬の判断をしたのだろう」とする一方「公文書改ざん問題や国会での虚偽答弁などがあったことも忘れてはならない」と指摘した。

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