山本コウタローさん死去 野球への情熱 白鴎大野球部部長時代には阪神・大山悠輔を激励

 ヒット曲「走れコウタロー」などで知られる歌手で白鴎大名誉教授の山本コウタロー(やまもと・こうたろー、本名厚太郎=こうたろう)さんが4日未明、脳内出血のため東京都の自宅で死去したことが15日、分かった。73歳。葬儀は近親者で行った。1970年に、所属したバンド「ソルティー・シュガー」の楽曲「走れコウタロー」が大ヒットするなど、歌手として注目を集める一方、参院選出馬や、白鷗大学野球部部長を務めるなど多彩に活動した。

 大の野球好きで知られる山本さんは白鴎大の野球部に深く関わってきた。教授だった2016年、ドラフト会議で大山悠輔内野手が阪神から1位指名された際には部長職にあった。翌年2月には阪神が春季キャンプを張る沖縄・宜野座村を訪問し大山を「ひと山もふた山も乗り越えてほしい」と激励していた。

 同校野球部の藤倉多祐監督は「本当に野球が好きな方でした」と述懐。最後に会ったのは昨年12月に大学で行われた、同校出身のプロ野球選手の激励会だったという。18年で部長職からは離れていたが、ハンチング帽をかぶり大山内野手や楽天・岡島豪郎外野手、侍ジャパンの栗山英樹監督らと野球談議に花を咲かせていたという。

 また、阪神や楽天で監督を務めた故星野仙一氏の野球殿堂入りを祝う会や、岡島外野手の結婚式にも出席するなど、野球への強い情熱を示していたという。部長として、プロ野球選手を多く輩出することを目標としていたといい、藤倉監督は「『焦ることなく、選手を育てて下さい』と言われた思い出があります」と山本さんをしのんだ。

 ベンチ入りしていた際は作戦面や用兵にも強い興味を示し、ミーティングでは「日本一になったら全員をハワイ旅行に連れていくぞ」とナインのやる気を引き出す言葉を送っていたという山本さん。天国でも“教え子”の活躍に目を細めているに違いない。

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