囲碁の中学生棋士、仲邑菫二段（１３）が１７日、滋賀県東近江市で打たれた第７回扇興杯女流最強戦の決勝で牛（にゅう）栄子四段（２３）と対局。牛四段が２８４手で白番２目半勝ちし、初優勝を飾った。史上最年少の１３歳４カ月、さらには囲碁界初の中学生棋士によるタイトル獲得に挑んだ仲邑二段はあと一歩及ばず、快挙達成はお預けとなった。

　序盤から安定した打ち回しで徐々に優勢に持ち込み、初タイトルが目前にまで迫った。しかし、終盤に逆転を許し、流れを引き戻せないまま、押し切られた。終局後、仲邑二段は「本局はヨセ（終盤）がまずかったです」と言葉を絞り出すのがやっとで、敗戦のショックを隠しきれないようすだった。

　女流タイトルの史上最年少記録は、藤沢里菜二冠（２３）が２０１４年に「会津中央病院・女流立葵杯」を制した１５歳９カ月。今大会では、それを大幅に更新する１３歳４カ月でのタイトル獲得を期待され続けた。記録更新に対するプレッシャーについて「特に感じなかった」と話しながら、「今回の負けを引きずらずに、次を頑張りたい」と時折目元を拭いながら、前を向いた。

　仲邑二段を下して悲願の初タイトルを獲得した牛四段は「何が良かったかは分からない」と振り返ったが、劣勢に追い込まれながらも「いつも支えていただいてる方々を思い出して」と奮起し、逆転劇につなげたことを明かしていた。